「何か良いことないかな?」そう思っていませんか?心から打ち込めるもの、生きがいが大学時代に見つかると、人生は充実します。生きる意味、人生の使命が明確になると、就職活動も違ってきます。本稿では、最近大学を卒業した3人の若い社会人の体験談をご紹介します。
小田地人さんは、昨年3月に東京の大学を卒業しました。現在外資系のIT会社に勤める社会人です。小田さんが大学時代に見つけた生きる意義とは何でしょう。小田さんの経験に耳を傾けてみましょう。
一浪して、大学に入学しました。しかし、浪人したにも関わらず、結局、入学したのは自分が望んでいた大学ではありませんでした。悔しくて、自己嫌悪し、自暴自棄になっていました。
入学したのが私立大学ということもあり、莫大な学費が必要でした。経済的にも困窮しました。そこでレストランのクルーとして働き始めました。しかし、理想と現実とのギャップに苦しみました。
アルバイトはとても忙しく、過酷でした。同期がどんどん辞めていきました。バイトの忙しさで学業も疎かになりました。大学のレポートや宿題、課題に割く時間も取れませんでした。
その上、バイト先の上司からのプレッシャーがあり、精神的に押し潰されそうでした。漠然とした不安が重なり、バイトこそすべての問題の元凶だと考えるようになりました。「こんなバイト辞めてやる」と強く思っていました。今のつらい現実から逃れようと、もがいていました。
ある金曜日、自宅でふとテレビを観ていました。あるバラエティー番組を観ていると、その日のゲストはカトリックのシスター、渡辺和子さんでした。渡辺和子さんは、岡山県にあるノートルダム清心女子大学の理事長を歴任。その著書『置かれた場所で咲きなさい』※1 がベストセラーになっていました。
「幸せは自分の心で決めるものです。」
「今、苦しい峠を登っていても、必ず下り坂になるときが来ます。」
番組で紹介された、渡辺和子さんの言葉が心に響きました。苦しいとき、つらいときでも、愛と感謝をもって生きる、シスターの考え方に心震えました。「どうして困難な中でも、こんなに幸せに生きていけるのだろうか」と不思議に思いました。生まれて初めて、キリスト教の考え方に興味を持ちました。そして、そんな生き方をする渡辺和子さんがとても羨ましく思えました。
それまで宗教に対して、ただのマインド・コントロールに違いないと偏見を持っていました。宗教は、自分には関係のないものとして、聞く耳すら持ちませんでした。しかし、この番組を観た後、何か救われたような安心感がありました。目に涙がとめどなく溢れてきました。
その半年後、私は大学で、アメリカから夏休みを利用して来日した、クリスチャンの大学生、ルークに出会いました。ルークと友だちとなり、彼から聖書の中心的なメッセージを聞きました。
イエスが身代わりとなって十字架に掛かったことで、私の罪がゆるされると聞きました。しかし、イエスを信じることには、葛藤がありました。「洗脳されているんじゃないか。」「親や友だちにどう思われるだろうか…」さまざまな可能性を考えました。最後の最後まで悩みました。
それでも、アルバイトでつらかったとき、心の支えとなった渡辺和子さんの信仰をもっと知りたい…。そんな好奇心から、イエスを信じる決心をしました。
イエスを信じて、すべてがすぐに変わったというわけではありません。私の信仰は、本当に小さな信仰でした。ルークはアメリカに帰国しました。ルークが紹介してくれたアメリカ人の宣教師、フィリップと定期的に会い、聖書を学びました。
真理がどこにあるのか、迷子になりそうなときもありました。しかしフィリップの姿を見て、人がこんなにも私を愛し、励ますことができるのかと感動しました。大学のクリスチャン・サークルにも、本格的に参加しました。また自宅近くの教会で、洗礼も受けました。
海外ボランティアや就職活動と、チャレンジングなことが多かった大学生活でした。しかしクリスチャン同士の関わりで、神のことがもっと好きになりました。
現在、大学を卒業し、IT企業で勤務しています。正直に、信仰が揺らぎそうになることもあります。しかしその都度、頼れるクリスチャンの仲間と教会があることに、感謝しています。
安田真由さんは、2020年に東京の大学を卒業。現在は、キリスト教宣教団体のスタッフとして勤務しています。彼女の大学時代の体験をご紹介します。
私は、自分が希望する大学には、行くことができませんでした。受験に失敗して、自分のアイデンティティや、ビジョンが崩れてしまったのです。
大学に入学して、自分の人生を作り直そう、人生を再構築しようと考えていました。どのような人間になるべきなのか、将来どのような仕事をするべきなのか、当時すごく悩んでいました。
そんな大学1年生のときにとった、大学の英語の授業でのことです。その授業のティーチング・アシスタントに来ていたのが、アメリカ人のクリスチャンの女性でした。その授業の教授もクリスチャンでした。
実用的な知識やスキルも人生には大切です。しかしそれ以上に、生きる目的が何であるのかが、もっと大切であることを、授業中のディスカッションを通して、考えさせられました。たとえ良いことでも、考えを行動に移すとき、心の動機が大切です。また、死んだあと、自分はどうなるのかも考えさせられました。
ティーチング・アシスタントの女性は、授業外でも個人的に時間を取ってくれました。一緒に遊んだり、話したりして、歳も近いこともあり、良い友だちになりました。そんな彼女が『人生を導く5つの目的』※2 という本を、私にプレゼントしてくれました。
その本の一文にこう書かれていました。「神はあなたを愛するために、あなたを造った。」この一文は、私にとって驚きでした。
私は、幸せや愛は自分でつかみ取るものだと考えていました。私の人生の目的は、幸せな人生を手に入れることでした。でも同時に、どれだけがんばっても、幸せを手に入れることのできないむなしさも感じてもいました。
勉強やスポーツを努力し、友だちもたくさんいました。しかしこのようなものでは、心のむなしさは埋めることはできませんでした。だから「神は私を愛するために、私を造った」というこの言葉は、私にとってまったく新しいものでした。
「私は、神に対して何もしていないのに、なぜ神は私のことを愛してくれるのだろう。」私はこう考えるようになりました。
アメリカ人の友だちとバイブル・スタディを重ねる中で、神が愛であることを知りました。聖書にはこうあります。
「私たちは自分たちに対する神の愛を知り、また信じています。神は愛です。愛のうちにとどまる人は神のうちにとどまり、神もその人のうちにとどまっておられます。」※3
幸せになる唯一の道が、イエスを信じることだと気がつきました。私はその場で、イエス・キリストを信じる決心をしました。私を永遠に、そして世界一、愛してくれる神がとともにいることを知ったのです。
以前は、幸せになるために何かをしなくてはというプレッシャーが、常にありました。今はプレッシャーの鎖から解放されて、自由になりました。私はすでに神にとって尊い存在です。
安田さんの体験の動画はこちらからご覧ください
阪田怜士さんは、アメリカン・フットボールの選手でした。推薦入試でアメフト日本一の大学に入学。大学のアメフト部でプレーすることも確約されていました。しかしその夢は途中で、閉ざされてしまいました。阪田さんの体験です。
小学4年生で、アメリカン・フットボールを始めました。当時の私は、いつもアメフトのことだけを考え、アメフトが大好きな少年でした。高校からは部活でアメフトをするようになりました。高校1年生の時から試合に出て、プレーしました。監督からほめられてうれしく、少し天狗になっていました。
そして、高校卒業後の進路も、推薦入試で大学が決まり、大学でもアメフト部でプレーすることが決まりました。しかも私が進学する大学のアメフト部は、毎年日本一を争うような強豪校だったのです。家族も喜んでくれました。
しかし大学入学前、チームに入部するためメディカル・チェックを受けました。精密検査の結果、脳の血管に生まれつきの異常があることがわかりました。医師からは「スポーツをする上で、問題は特にない」と言われました。
しかし数日後、大学のアメフト部の監督に呼ばれ、大学に行きました。監督との面談の席上、脳の問題を持った上で、アメフトをするリスクが書かれた、一枚の印刷物が手渡されました。監督から一読するように言われました。印刷物を読み終わり、目をあげると、監督にこう言い渡されました。
「健康上、重大な問題が発生する可能性があります。あなたは選手としてプレーすることはできません。」
ショックがあまりにも大き過ぎて、言葉も出ませんでした。大学でアメフトがしたかった。日本一になりたかった。ただ悔しくて涙が出てきました。大学でアメフトをする道が断たれました。自分は何のために生きているのか。アメフトができない自分に、何の価値があるのか。自分の存在価値すら、わからなくなりました。
そんな失意のどん底で、2人の兄がクリスチャンの大学生の集会に誘ってくれました。その集会には、日本全国から総勢100人ほどのクリスチャン大学生が集まりました。私は、夜の集会に参加しました。その夜の集会で、全員で『恵み again』という賛美歌を歌いました。その歌詞に心とらえられました。その歌詞とは以下のようなものです。
「つまずき倒れる弱い私、あなた(神)の御手が支え励ます。それでも前に進めないとき、あなたに求めます。
注いでください、あなたの恵み。もう一度立ち上がるために、あなたの恵み。」※4
この歌詞を歌ったとき、神から離れて違う道を進む私を、神が何度も立ち上がらせてくれたことを実感しました。そして今も、神が支え励ましています。イエスは、いつも私に手を差し伸ばしていたのです。どんなときでも変わらない愛で、神が私を包んでいることを知り、自然と涙があふれました。
自分はアメフトができるから、勉強ができるから、人と比べて特別に何かができるから…。だから、神が私を愛しているのではありません。私がどんなに汚れた心であっても、神の愛は無条件です。私への愛は変わりません。この神の愛を最もよく表したのが、神の御子イエスの十字架です。私はイエスを信じる決心をしました。
大学でアメリカン・フットボールをプレーする夢は、断たれました。しかし生涯、この神の愛を伝える生きる方をしたいと、今は願っています。
だれもが、人生に夢や期待を持っています。私たちは理想の自分になろうと、前に進んでいます。しかし時に、道断たれ、前に一歩も進めないと感じることもあるのです。
特に日本に住む私たちは、社会からすでに多くの重荷を担わされて、疲れ果てています。大学に至るまで受験、また受験と、進んできました。新入生は大学生活に希望を抱くとともに、どのように大学4年間を過ごすべきか考えさせられているかもしれません。
在校生にとっても、新型コロナ対策のオンライン授業が主流で、いざ対面の授業が始まっても、なかなか心許せる友だちができにくいと感じている人も多いのではと思います。
就職活動中の皆さんには、この先行き不透明な社会、自分に合った就職先から内定をもらえるのか。今後の人生どうなるのか。奨学金を完済できるのか。身体を壊すことなく、生涯、やりがいのある仕事を続けていけるのか…。将来への不安はつきません。
多くの重荷を担う日本の大学生の皆さんに、イエスはこう語っています。
「すべて疲れた人、重荷を負っている人はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。」※5
神のもとに来るときに、安らぎがあります。休息があります。そして神があなたを造ったのなら、あなたのスペックも、潜在的な可能性も、神はよく知っています。神は、私たち一人ひとりに特別な計画を持っています。
「実に、私たちは神の作品であって、良い行いをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです。神は、私たちが良い行いに歩めるように、その良い行いをあらかじめ備えてくださいました。」※6
あなたは「神の作品」「神の傑作の作品」です。神の目には、あなたは高価で尊いのです。神には、あなたとともに成し遂げたい使命があります。人生の使命は、あなたを創造した神のところにあなたが来るとき、わかるものです。
イエスはこうも語っています。「わたしは心が柔和でへりくだっているから、あなたがたもわたしのくびきを負って、わたしから学びなさい。そうすれば、たましいに安らぎを得ます。わたしのくびきは負いやすく、わたしの荷は軽いからです。」※7
その当時、2頭の牛をつなげて、2頭の力を合わせて、荷物を運びました。2頭の牛を横に並ばせ、互いの首に木製の「くびき」をつけました。「くびき」に取り付けられた長い縦棒が荷車につけられ、2頭が力を合わせて荷車を引っ張るのです。私が荷物を運ぶとき、イエスも隣に「くびき」でつながれ、一緒に力を出してくれます。
あなたのパートナーがイエスなのです。イエスとともに担う「くびき」は負いやすく、軽く感じるものです。神はあなたに期待しています。あなたに生きる意味を与えます。生きる使命を与えます。
神の与える使命は重荷とはなりません。むしろイエスとともに担う「くびき」です。イエスと交わりながら、喜びとやりがいをもって担う使命です。
大学生の皆さん、大学時代にあなたに使命を与えるイエスに出会ってください。イエスとの関係を回復してください。そして神のもとで、生きる意味、人生の使命を見つけてください。
イエスとともに、その使命を果たす喜びを体験してください。使命をもって生きる大学生活は、充実しています。周りからも魅力的です。
このStudent in Japan、そしてこのサイトを運営するStudent Impactが、そんな大学生の皆さんを応援します※8。互いに助け合うコミュニティになれればと願っております。
こちらの『理想の自分になる秘訣』 の記事もご覧ください。
Student Impact は、大学生がイエス・キリストを知り、みんなで学び、人生と世界大の使命が見つかるようにお手伝いする、温かなコミュニティです。こちらのサイトでお確かめください。
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脚注:(1) 渡辺和子著『置かれた場所で咲きなさい』幻冬社, 2014年.
著者の渡辺和子さんは幼少期に、二・二六事件に遭遇。彼女の目の前で父が暗殺される経験を持つ。聖心女子大学、上智大学大学院を経て、カトリックのシスターとなる。アメリカ留学後、岡山のノートルダム清心学園長・理事長を歴任。著書『置かれた場所で咲きなさい』は200万冊を超えるベストセラーになっている。
(2) リック・ウォレン著, 尾山清仁・小坂直人訳『人生を導く5つの目的』パーパス・ドリブン・ジャパン, 2004.
著者のリック・ウォレン氏はアメリカ・カルフォルニア州にあるサドルバック教会の主任牧師を務める。『人生を導く5つの目的』は世界で8,000万冊を超える大ベストセラーになっている。
(3) 新約聖書1ヨハネ4:16
(4) 伊藤聡作詞・作曲『恵みagain』https://www.youtube.com/watch?v=ARE1bOQXzR0
(5) マタイ11:28
(6) エペソ2:10
(7) マタイ11:29,30
(8) Student Impactは、日本キャンパス・クルセード・フォー・クライストの大学生部門。大学生がキリストにつながり、みんなで成長し、使命をもって世界へ羽ばたくムーブメントを起こすことを目的に活動している。
こちらの記事もご覧ください。
『生きる目的とは』
動画『生かされている』
動画『人生に目的がある』